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ビジネスサポート経済学現代に生きるケインズ―モラル・サイエンスとしての経済理論

現代に生きるケインズ―モラル・サイエンスとしての経済理論

現代に生きるケインズ―モラル・サイエンスとしての経済理論

伊東 光晴(著)

現代に生きるケインズ―モラル・サイエンスとしての経済理論

定価: ¥ 777
販売価格: ¥ 777
人気ランキング: 29677位
おすすめ度:
発売日: 2006-05
発売元: 岩波書店


新古典派の反応が問題
ケインズ反革命に対する批判、それも、批判の対象がハロッド、カーン
に妥協したケインズ自身にまで及んで、ケインズ自身が反革命の余地を
残したとしている。
 本書で、ケインズの本当の意図をできるだけ描き出し、それを現代に
おいても活かそうというのが本書の主旨なのであろう。ただ、問題は、
仮に、本書を新古典派の経済学者が読んだとして、その批判にどこまで
反応されるかではなかろうか。全く無視されたなら(おそらくそうなる
ように思うが)、いくら新古典派、テキストブックに載ってある、
ケインズ体系のエッセンスとされてるヒックスのIS=LMモデルを批判
したところで、どうなるのか、という問題が残るように思われる。
 新古典派がそれに堪えて、自らの理論を捨てる、あるいは、変更する
など、考えられないのである。残る道は、ケインズが本当に意図した
と思われる方向で再度体系化し、その実証も積んだ上で、新しい体系
を築くしかないのではなかろうか。(著者はそんなことまで述べていないが)
 それから、付言として、モラルサイエンスとしての経済学の意味が、
イギリスの伝統(スミス、ミル、マーシャル)の道徳哲学(常識の
科学)のなかにあるということと、イギリスの伝統的哲学の功利主義
を批判したムーアをさらにまだ、批判したケインズの哲学、思想とは、
どんなものなのか。その辺りの関係が私には、明確になっていないよ
うに思えた。

伊東先生,ご健在!
 70年代前半に学生時代を過ごした者にとっては,伊東光晴,宮崎義一,そして後に神奈川県知事に転ずる長洲一二という日本における現代資本主義学者は非常に懐かしい感じがする。
三人は,社会科学の鋭い切れ味をもって、時宜に適った経済批評を行ってきた。 その中でも伊東光晴は,あの独特の口調でTV等のマスコミにもたびたび登場し、わかりやすい経済解説を行っておられた。一方,前著である「ケインズ」は、当時,経済学を学んでいる者にとっては,極めて常識的に読まれていたもので,この度,その続編ともいえる本書が出てきたという事は,非常に興味があるし,「先生,まだ生きてたん?」という感慨もある。
伊東が本書を書いたのは,前著以後の日本における様々な経済事象をケインズ経済学の立場からどのように解釈するか,というケインズ学者の責任感からであろう。
日本におけるバブル崩壊のメカニズムについて,これほどまでに簡潔に解説している手腕は「見事!』というしかない。
伊東は,次の著書で日本経済の過去と未来について,より詳細に記述する予定らしいが今から楽しみである。

ケインズとは何か?
ケインズ没後60年、前著「ケインズ」から40年あまり経過して改めてケインズとは何か、「一般理論」とは何かを考えさせてくれます。非常に読み応えもあります。「一般理論」がハロッドとの妥協の書物だというのもうなずけます。そして、今後の日本経済を占う上で「一般理論」がどう読まなければならないのかと言うのを提供してくれます。この本を読んで改めてケインズとは何か。「一般理論」は何かを我々に問いかけてくれています。

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