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ビジネスサポート経済学幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

ブルーノ S.フライ(著)

幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

定価: ¥ 2,520
販売価格: ¥ 2,520
人気ランキング: 90281位
おすすめ度:
発売日: 2005-01
発売元: ダイヤモンド社


経済学の新たな手法
 経済学の標準的な考え方では、個人の行動や選好に基づく客観的な基準が採用されるが、ここでは、主観的幸福を基準とするアプローチがとられる。また、所得や消費といった結果だけではなく、プロセスそのものがもたらす主観的幸福への効果が評価される。主観的指標は、曖昧さがともなうとともに、本書で何度も言われるように、因果関係の方向性の見極めが難しいなどの困難さがともなう。また、社会厚生関数の最大化というアプローチの持ついくつかの難点は、幸福関数の場合でも相変わらず残る。
 加えて、主観的幸福とある種の規範性が相反するケースにどう対処すべきかという問題もあるように思われる。人間は、長期的な利益よりも、短期的な利益の確保に流されがちであり、幸福指標もそのような人間の行動傾向を示すこともあり得るだろう。とはいえ、主観的幸福を基準とするアプローチについては、基準そのものが社会経済の本質的な「質」を表しており、また、本書の最後に指摘されているように、それが人間行動への影響を通じて、生産性や消費水準にも影響を与え得ることも無視し得ない。
 本書から得られる重要な知見として、失業による不幸ということが挙げられる。失業の不効用は、新古典派経済学者が指摘するような所得の低下という結果からよりも、失業プロセスそのものによってもたらされる要素が大きい。このことは、適切な経済・社会政策(金融政策を含む)は何かということを考える上で重要である。人間は、保険制度のみによって失業の不幸から救われるわけではなく、むしろ経済成長性を確保し、社会の活性化をもたらすような仕組みを検討していくことがより重要であるということになろうか。

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