ミクロ経済学入門
わかりやすいが、公務員試験・資格試験には使えない
本書は、大学等で半年間にて入門レベルの講義を終わらせることを前提に書かれている。
そのため、消費者行動理論における無差別曲線分析からの需要曲線導出、生産者行動理論における生産関数・費用関数分析からの供給曲線導出といったトピックは、「教員にとっても荷が重すぎ、学生にとってもそれらを学んだからといって現実の経済についての理解がさほど深まったとは実感できない」との理由から大胆にもカットされている。
代わって、「需要・供給分析、余剰分析に焦点を絞ってまず学び、その多様な応用範囲を感じ取ってもらったほうが、経済学の有用性をアピールできるのではないか」との理由で、これらの項目を中心に章立てがなされている。
「半年間の講義で」という制約を考えると、筆者の考え方にも一理はあると思う。
しかし、小生は、消費者行動理論と生産者行動理論はミクロ経済学の基本中の基本であると考えており、特に消費者行動理論の応用性の広さを考えると、この2つのトピックを外したことは、たとえ入門書といえども賛同できない。
内容的には、殆ど数学は使わずに図を多用しており、説明も丁寧でわかりやすい。また、2色刷りとなっているため、視覚的にも見やすいものとなっている。練習問題の解答も詳細に記述されている。
ただ、既に述べたように、消費者行動理論と生産者行動理論がカットされているため、一般教養レベル・入門の入門レベルのテキストとしては有用かもしれないが、公務員試験・資格試験のテキストとしては使えない。
<<<アジア金融システムの経済学
環境経済学>>>
[ 経済学 ]

