エコノミスト 南の貧困と闘う
ウィリアム イースタリー(著)
定価: ¥ 2,940
販売価格: ¥ 2,940
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おすすめ度: 
発売日: 2003-07
発売元: 東洋経済新報社
第2次大戦後、経済の専門家は熱帯の貧しい国々がどうすれば生活水準を欧米諸国並みの水準に近づけられるかを探ってきた。外国からの援助、機械投資、教育振興、人口増加の抑制、援助融資、さらには改革を条件とした債務放棄などが試みられてきた。しかし、どれひとつとして期待した結果をもたらしてはいない。著者、ウィリアム・イースタリーは、問題は経済学ではなく、具体的な政策の中に経済原理をうまくとりいれられないことにあると主張する。 本書の中でイースタリーは、これらの解決策が、民間人、民間企業、政府関係者、さらには援助提供者まで含む人々が、インセンティブに反応するという経済学の基礎的な原理にいかに反しているかを説明する。イースタリーは、まず成長の重要性について論じる。次に、これまで失敗した開発の解決策を分析する。そして最後に、それらにかわる問題解決の方法を提案する。わかりやすいスタイルは、ときに的外れな部分もあるが、本書は著者の世界銀行時代の実地調査の逸話を現代の成長理論と融合させている。(Book Description)
経済学の理論と途上国の現場の実態両方への理解を兼ね備えた希少な書籍
なぜ途上国の多くが未だに貧困から抜け出せないのか。開発援助に関心を持つ方であれば、必ずこの疑問を抱くと思います。そして開発援助に精通する識者の著書を多数読んでも、残念ながら納得のいく答えはあまり得られません。しかし、本書は今までに私が多数読んだ援助関係の著書の中で、明らかに際立っています。それは恐らく、著者が経済学に精通し、途上国のあらゆる諸問題に対する経済学的アプローチを欠かさないからでしょう。援助関係の著書には、経済学の基礎理論を無視したものが非常に多い。「経済成長か貧困克服か」という不毛極まりない二元論はその典型でしょう。しかし本書は、経済学の理論と途上国の実態双方に対する深い理解を兼ね備えた元世銀のエコノミストが著していることもあり、従来の書籍にはない貴重な内容を含んでいます。
経済学と聞くと数式が頻繁に出てくる難しい内容を想起しがちですが、本書に記された経済学的アプローチは少しも難しい内容ではなく、経済学の基礎知識を全く持ち合わせていない私でも容易に理解できました。構造調整融資、債務放棄、教育の普及等の従来の処方箋がなぜ間違っているのか、種々のデータと経済学の基礎理論を元に、初心者にも十分理解できるほどの丁寧な説明が為されており、ページの長さが少しも苦になりません。投資やコンドームに対する援助のように、素人の私の目にも完全に破綻していると映る処方箋が、未だに援助で幅を利かせていることが良く理解できます。
「多くの貧しい国が豊かになりますように」。これは著者のみならず、援助に携わる全ての人の願いですが、経済学の基本原理をきちんと踏まえなければ、諸問題や援助の経済的意味を把握できず、この願いを叶えることもできない。仕事であれ、ボランティアであれ、開発援助に関わる全ての人にとって、本書は必読書の部類に入ると思います。
経済学者もがんばっている!
開発とは、いかにその人が幸せになるかの第一歩。
訳者の話をかつて聞きましたが、そう力強く語っていました。訳者からこの書籍に辿り着いた一人です。その幸せとは何なのかが難しいのですが・・・。
開発経済学者は、開発の現場で尊敬もされますが、「実体を見ていない」と言われることもあります。でもこの書籍では、援助の現場で、泥臭く失敗し、何かを見い出し、何かもっといいことを!と考えている著者を感じます。援助に携わっている若い方にもぜひ読んでもらいたいです。
開発、っていう言葉ももう古いんでしょうね。
入門書
十八歳の無知な私でも読みきることができました。
前半は、ドーマーやソローなど開発経済における過去の理論への批判から始まり、中盤はいままで行われてきた様々な政策がいかに失敗し、なぜそれらが成長への決定要因とならなかったかを明らかにしていきます。そして、貧困国ではなぜ将来へ投資するインセンティブが起こりずらいかなど貧困国に起こっている悪循環について言及していきます。後半では途上国政府がしばしば直面する汚職や、高インフレ、闇市場プレミアム、為替レートの固定、インフラへの不投資などの政策がいかに成長へのマイナスのインセンティブを生み出すかを解説します。初心者を置いていくような解説をしないのでまさに途上国開発を考える人の入門書と言えるのではないでしょうか
ただ、他の人のレビューにもあったように、訳が堅い。その分疲れます。
経済をかじった事があるひとや英語に自信のある人は、原著を薦めます。
「The Elusive Quest For Growth」
<<<金融システムの経済学
「質の時代」のシステム改革―良い市場とは何か?>>>
[ 経済学 ]
