経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには
大竹 文雄(著)
定価: ¥ 819
販売価格: ¥ 819
人気ランキング: 1370位
おすすめ度: 
発売日: 2005-12
発売元: 中央公論新社
一般人と経済学を繋げる良書
経済学という、庶民には(私もそうですが)
なかなか取っつきにくい学問を・・・
・女性は何故、背の高い男を好むのか?
・自然災害に備えるには?
・プロ野球監督の能力
といった一見しただけでは「これの何処が
経済学と繋がっているの?」と思われる
トピックをネタに経済学の本質(ここでは
「意欲」と「因果関係」の証明)を説明して
います。
そして(ここからが本題だ)上記のような
軽いネタで読者を引き込んだ後に待ち受けるのは
この国の年金未納と所得格差についての論考です。
・何が原因で年金未納や所得格差が起こって
いるのか?
・それに対する処方箋は有るのか?
それは読んでのお楽しみですが、しっかりとした
データを元に論を展開しているので、読後に得る
ものも多いと思います。
「格差」という言葉が一人歩きをしている感を
受ける現代だからこそ読んでおきたい一冊です。
確かに面白いが
個人のインセンティブを明示的に扱って、意外な因果関係や経済学的帰結を導く本としては、2006年に邦訳された「ヤバい経済学」(スティーヴン・レヴィット)の方が圧倒的に面白いので、あえて星三つにしておきます。
新書サイズのパフォーマンスは充分
面白いです。面白さの源泉は、身近な例で(例えばプロ野球監督の評価、結婚、オリンピックなど)経済学的に分析するとこうなる、と見せることで「ふーん、理屈ぽっく言うとこうなるんだ」と実感できること。ただ、理屈といっても著者が言っていることは、1.インセンテイブに着目して物事を考えましょう 2.物事の相関関係だけではなく、因果関係もきちんと分析しましょうということ。「経済学的思考のセンス」はこの二点に集約されるような気がします。
したがって、身近な例を科学的に分析することにより知的好奇心(?)が刺激され、経済学的なものの見方が勉強できて(これが著者の主眼ですが)、さらに今、話題の格差についての議論も整理できる三回おいしい内容になっています。新書サイズのパフォーマンスは充分。
その格差の問題ですが、所得再配分はそもそも「リスク(成功の源泉が努力か生まれ持ったものか。努力が報われないと意欲がそがれるリスク→社会不安も引き起こす)とインセンティブ(賃金格差の有無)のトレードオフ」をどう考えるかということ。最終的には「機会の不平等や階層が固定的な社会を前提として所得の平等化を進めるべきか、機会均等を目指して所得の不平等を気にしない社会を目指すか」の意思決定であり、少なくとも今の日本では前者に近い有り様(この認識はちょっと意外。でもデータあり)だから、もっと「国内の税制・社会保障・就職支援等改革を中・低所得者層の勤労意欲を高める方向とすべき」と具体論を展開。主張は現実には、将来的な展望がなく固定的であまり見通しも立たない層があるからそこに対してもっと支援すべき、という普通の理解をしました。
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