障害者の経済学
当事者意識を脱却して
内部の視点から描かれることの多かった障害者の世界を外部の経済学の視点から捉えようとした試みには好感を覚えた。
どうも障害者というと一歩引いてしまうのが現在の世相。
それは外部の世界の人の偏見ではない。
障害者の世界に関与する人々が手厚い行政の保護に安住したことと、敢えて外部の理解を求めようとしてこなかったのにあるだろう。
内部の人間から見るとなかなか辛辣な事が書いてある。
それも著者の言うように当事者感覚をひとまず措いて読んでみるとなかなか正鵠を得た意見である。
「正しい」かどうかはわからない。ただ、外部の目からはこう見えるということはよくわかった。
また、障害者という世界から日本の社会や経済の仕組みを照射したという側面もある。
障害者の世界とは一種の辺境である。
そして辺境からこそ中心をよく見ることができる。
法規制、行政と業界の関係、親子関係、学校社会・・・
辺境であるからこそ凝縮した社会の問題が見えてきている。
経済学と言う以上は
経済学と言う以上は、資源の適正な配分を目的とする学問なので、施設
の話をするなら雇用創出や関連産業への波及効果などの話を期待してい
たのだが・・・障害者本人の社会参加の話で終わらせるのは、どうかと
思う。
重く深くウエットな世界を鳥瞰するのに良いクールな本
非常に長いタイトルとなりましたが、障害者福祉の分野の本を幾つか読んで感じたことは、重く深く当事者以外を拒絶するような印象を持たせる本が多いことです。翻ってこの本では、障害児の親でもある経済学者が、非常にクールに、同時に温かみのある視線で現在の障害者の福祉や教育問題を解説しています。 障害者問題を考える際に、第一に読むことをお奨めできる良書として読ませていただきました。 その後、更に他の本を読むことで相対的な理解が進むと考えます。 思えば、障害者の経済学は全く手付かずの分野ではないでしょうか? 就労すればどのような経済貢献が出来るのか? 障害者対策の社会的コストと政策効果は?といった分野での研究成果を今回のように分かりやすくプレゼンする続編を期待したいものです。
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