ケインズ―“新しい経済学”の誕生
でも、ケインズは嫌い
新書としては、この本が優れていることは、否定しません。
ただ、ケインズの理論のところで1箇所間違っている
箇所が今日から見るとありますが、それは仕方ないでしょう。
入門書としては、そこまで問う必要もないかと。でも、
私は、本書をもう10年以上前に読んだ感想が、「なんて、ケインズ
って、嫌な奴。俺のような、日本の貧乏大衆からは、かけ離れた
存在。しかも、鼻につくようなエリート主義。はっきり、言って
嫌い」そう思いました。今でも、そうした感情は、変わりません。
昨今の異常なまでの官僚批判イデオロギーの流布を思うと、この
本が経済学入門の書として、好評を得た時代が懐かしいとも思えます。
岩波新書の青版で、今でも著者が生きているのは、この本だけでは、
ないでしょうか。
ケインズと世界
たとえば、宮本武蔵を知りたい、としましょう。
そのときに大切なことは、史実を暗記するだけで終わらせないことだと思います。
二刀に行き着くまで、決闘に望むまでの苦悩や決心など、
それまでの過程を知らなければなりません。
本書のメインは3章、歴史的名著『一般理論』の解説ですが、
1章、2章において、当時の英国の背景と
ケインズの半生を描き、彼が『一般理論』を執筆するまでの
プロセスが理解できます。この部分だけでも経済学史として
味わい深いものとなっています。
その後のケインズ経済学が資本主義社会に与えた影響も4章で記してあり、経済学の発展とその力がよくわかります。
ケインズ入門でもあり、経済学史入門としても成り立つ、名著だと思います。
名著中の名著
金字塔である。長い間読まれている。ケインズ知るためにぜひ読んで欲しい。
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