「自動車バイス」トップページへのリンクです
ビジネスサポート経済学市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか

市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか

市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか

間宮 陽介(著)

市場社会の思想史―「自由」をどう解釈するか

定価: ¥ 756
販売価格: ¥ 756
人気ランキング: 56486位
おすすめ度:
発売日: 1999-03
発売元: 中央公論新社


問題史の経済思想史とはなんだろうか?
私がとある公立大学の学部演習のテキストとして選んだのが本書である。「人物」を中心に組み立てる通常の経済学史のテキストとは異なり、「社会主義」、「功利主義」、「貨幣」、「市場と計画」といった経済学における重要な「主題」(テーマ)を時代ごとに扱っている。あとがきによれば、「本書がめざしたのは・・・いわば問題史としての経済思想史である」。この「あとがき」には著者の思想に対するスタンスが明快に語られており、大変参考になった。偉大な思想家が「問いかけた問題の大きさと切実さが、彼らの思想を多産的な思想としている」のであり、「本書で取り上げた思想家たちは多かれ少なかれ市場社会の変化が生み出した問題と対決し、時代との対決のなかから自らの思想と練り上げている」とある。単なる机上の空論ではない生きた思想の歴史が綴られているのだ。もともとは放送大学での45分講義をもとにしているために、内容にやや物足りなさを感じることは否めない。スミスの箇所で扱われた「体系の人」批判をハイエクが現代的に再生した議論やスラッファによるリカードの客観価値論の復権など、現代とのつながりをより強く意識した構成もありえたであろう。それができなくともせめてシュンペーターの思想と理論には言及すべきではなかったろうか。とはいえ、本書はそれ自体として十分に魅力的な思想史を構成しているように思われる。第10章の「ケインズ革命」に連なる、「不確実性と期待」(第11章)と「貨幣について」(第12章)、そして「経済学における自由の思想」(第15章)はとくに印象深い。ケインズ理論に込められた思想・哲学を的確に描き出しているからだ。理論、思想あるいは哲学との豊かな協奏曲が奏でられているといえば大袈裟か。「市場社会の思想史」という本書のタイトルからも、経済学とは本来は「社会」と密接不可分な関係にあることを想起させられる。お薦めの一書である。

経済思想史を追求する
 経済思想を源流から辿りながら、経済理論やその変遷を理解出来る経済思想史のコンパクトな1冊である。古典派経済学から新古典派経済学を経て、ケインズ革命に至るまでの経済学の歴史を理論と提唱者のエピソードに適切な例も加えながら解説し、現代の経済学の根底にある思想を探る。しかし他の経済学史の本と異なるのは、そこに政治的な背景や思想的な流れを積極的に取り入れる事で却って経済学史全体の流れや構造が掴み易くなっている点であろうか。
 自由主義と市場社会の関連を思想的・経済的側面からまとめあげた本書は、経済史の魅力的な教科書にもなると同時に、政治学・哲学の体系的テキストにもなることだろう。比較的安価に手に入る良書なので、文系の学生には是非とも一度手に取って読んで貰いたい。

凄い
経済史の入門書のようでありながら、経済の基礎および理論を教えてくれる。私の記憶の間違いなければ氏のケインズとハイエクが、絶版なのが、悔やまれる。

<<<なぜ貧困はなくならないのか―開発経済学入門
新・メシの食える経済学―お金に恵まれる人生への手引き>>>

ページの先頭へ(z)

[ 経済学 ]