経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える
飯田 泰之(著)
定価: ¥ 2,100
販売価格: ¥ 2,100
人気ランキング: 70844位
おすすめ度: 
発売日: 2003-12-11
発売元: ダイヤモンド社
経済学に入っては「経済学の基本ルール」に従え
経済学に馴染めない理由としてよく聞かれるのが「非現実的」「所詮は机上の空論だYO!」という声。そもそも経済学とは、複雑怪奇な現実世界の事象を「単純化して突き詰める」学問であるため、単純化したモデルを「現実と違う」と罵倒するのは、子供に向かって「オマエはなんて幼稚なんだ」と諭すくらい無意味なもの。そんな、経済学の世界と現実世界とのギャップを埋めるのに最適なのが本書。経済学における幾つかの前提条件や基本ルールの解説に特化した書籍はおそらく本書が初めて。いきなり経済学の基本書から入るよりも、本書をクッションにするとその後の理解が早まること必至。時間が無い向きは、せめて第1・2章および第3章補講だけでも目を通しておきたい。本書を読んだ後で、日経新聞の記事やテレビの似非エコノミストどもの戯言を笑い飛ばせるようになれば、まずは合格。速やかに経済学の入門書に移られたし。
読みやすい経済学書No,1
まず構成がすっきりしている。経済学も論理的ルールに即しているのは
いまさらいうまでもない。最近は、論理的にスジが通っていないことを現実感覚や政治的・社会的ファクターでごまかすやからが多い。なかには前人未到の事態を説明しているのだから、などといって、従来の経済学やあまつさえ論理的首尾一貫性やただ文章の意味が通っているかいないかさえも誤魔化す手合いが多い。
本当に大変なことは論理的首尾一貫性を現実とどう適応させるかであって、現実にあわせて論理破綻を容認することではない。この当たり前ともいえる人類の英知wをちゃんとした経済学の初歩そしてリフレ政策まで結びつけたことは大変評価できる。経済学入門者から経済学にトラウマを抱く人までおおいに進めたい。読みなさい!
本来的な意味での経済学入門書
ロジカル・シンキングに関する著作はこれまでに幾冊
も読んできたが、いずれも挙げられている事例が極度に
単純化されたものばかりで、現実的な問題を考える際の
手がかりにするには物足りなさを感じるばかりだった。
その点において、本書は1990年代以降の日本経済という
生の事例を、複雑かつ巨視的な形を保ったまま示すこと
で、現実からの乖離を感じさせないよう配慮しつつ、ロ
ジカル・シンキングとは何かを修得できる構成となって
いる。
筆者のいう「経済学思考」を簡潔にまとめれば、ロジ
カル・シンキングにデータ実証と経済理論をマッチさせ
たもの、となるだろうか。経済学を専門として学んだこ
とがないため、いわゆる経済書を読んでいるとどこに根
拠の確実性を求め、どこまでをもっともらしい説として
受けとめるべきか判断に困り、ストレスを感じることが
多い。しかし本書に関していえば、前半における解説に
基づくことを確認しながら後半で日本経済の分析を行う、
というフレームが堅牢に構築されているため、胡散臭さ
を感じることなく読了することができた。理論的根拠を
明らかにしているところが「予想屋」の描いてみせる煽
り(安易な楽観論、あるいは悲観論)との質的な違いで
あろう。この点を高く評価したい。
終章の金融政策を重視する姿勢には少々疑問が残るが、
なぜ自分がそのような疑問を持つのかについても、改め
て認識を深める契機をもらったように思っている。著者
の説に対する賛否を問わず、経済学に関する読者の思考
を鍛えてくれる本来的な意味での入門書と呼んでいい一
冊である。
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